事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことをいいます。
「承継」とは「地位・事業・精神を受け継ぐこと」であり、「継承」とは「身分、権利、義務、財産などを受け継ぐこと」ですから、事業継承という言い方は誤りです。
企業が事業承継を行う際、誰を後継者として事業を引き継いでいくのかは重要な問題です。
しかし、事業承継は誰に事業を任せるかという「経営承継」という問題だけではなく、会社の株を誰に引き継ぐのかという「所有承継」の問題、後継者の教育をどうするべきかという「後継者教育」といった問題も含まれます。
ここでは、実際に誰に事業を引き継ぐのか、その方法についてご説明します。
・親族への事業承継
かつては事業継承の6割以上を占めていた親族内承継ですが、今やその数は3割程度となっています。
親族に事業を承継するメリットとしては、相続などによって財産や株式を後継者に移転できるため、所有と経営の分離を回避できる可能性が高いことや、後継者を早期に決定し、後継者教育などに十分な時間を確保できることなどが存在します。
一方、デメリットとしては、相続人が複数人いた場合に後継者以外への配慮が必要となり、後継者の決定や経営権の集中が難しいことや、そもそも経営の素質と意欲を併せ持つ者がいないといったデメリットが存在します。
・親族以外の従業員等への事業承継
親族以外の従業員などへ事業承継を行う手段は現在、全事業継承の内3割程度を占めています。
この手段のメリットは、少ない親族の中からだけではなく、会社の内部からも広く候補者を求めることができる点や、会社の内部の人間のため、経営の一体性を保ちやすいといった点です。
しかし、デメリットとして個人債務保証の引き継ぎの際に問題が多いことや、後継者候補に株式取得等の資金力が不足しているなどの問題があります。
・M&Aでの事業承継
M&Aとは、複数の企業を一つの企業に統合したり(合併)、ある企業が他の企業の株式や事業を買い取ったりする事(買収)をいいます。
このM&Aも事業承継の一つの方法であり、全事業承継の内の4割近くを占めています。
M&Aで事業承継を行った場合のメリットとしては、身近に候補者がいなくても、広く候補者を外部に求めることができることや、現経営者が会社売却を行った際に利益を獲得できるといったことがあります。
ですが、デメリットとして、M&Aの条件(従業員の雇用や売却の際の金額など)を満たす買い手を見つけるのが困難である点や、外部の人間を後継者とすることで経営の一体性を保つことが難しいという点があります。
以上の通り、事業承継には様々な手段とそれぞれのメリット・デメリットが存在しています。
そのため、お一人お一人に合った手段を選択することが重要となります。
税理士法人エムズ・インターナショナルは港区や世田谷区などを中心とした都内や千葉市を中心とした千葉県において、皆様の問題解決に尽力いたしております。
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